掛け軸・屏風・衝立・書画の販売修理、神社・仏閣・お茶室・文化財・美術品・仏画・御名号の表装などの依頼は福岡県大川市の表具処
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2.手表装と機械表装の違い 昔と違いまして今は様々な選択が出来ますので用途によって手表装もしくは機械表装を選ばれる事をお勧めします。展覧会や発表会等の一時的なものでしたら機械表装でも十分だと思います。また、後々残したいものであれば手表装をお勧めしまし、昔の修理物等はやはり手表装を強くお勧めします。 表装は500年以上の歴史がありますが、機械表装はまだ半世紀ぐらいしかありません。しかし、最近はしっかりとした技術者が少なくなり、機械表装よりも粗悪な手表装を見ることもあります。正しい技術やセンスを持つことは必要最低限の条件ですが、一度行った表装は後のケアーまで担当する表具店に依頼しましょう。作品を長く保存する場合は50年に一度の表装替えをお勧めします。 3.掛け軸の箱は桐箱が良いのか 適性度や入荷状況などから考慮すると、やはり桐箱の方をお勧めします。他にも虫が付く事を防ぐ事が出来ます。見た目の良い杉で作られている箱は結構アクが強く、作品を変色させる恐れもあります。ヒノキの箱は油の成分が含んでおり、掛け軸には不向きです。桐でも最近様々な物が流通しています。価格は多少高くはなりますが、柾目の細かく、白くない桐材で作られた物をお勧めします。 防虫香を箱に入れることをお勧めしますが、掛け軸に香りが移ることを嫌がるお客様もいらっしゃいますので、私たち制作側も大変気をつけております。 4,掛け軸の巻き方・開き方 掛け軸はもともと紙と裂によって出来ておりますので、非常に弱いものです。しかし、取り扱いを正しくすることにより、50年から100年と長きにわたって作品を保存することが可能です。巻いたり閉じたりして作品を長期間保存するという方法は掛け軸・屏風独特なものです。 掛け軸の場合、巻く時や開ける時は、軸先(両側に出ている棒状の物)を持ち、必ず中に触れないようにしましょう。巻く時は最後にキュッと音がするまで巻かず、少々軸先が左右に動く程度に軽く巻いてください。 紐を巻く時も必ず巻く下の方に和紙を添えて、その上で決して強く巻かないようにしましょう。また、作業中は周りに水気がないか、障害物がないかと必ず細心の注意を払いましょう。
7.化学糊としょうふ糊 化学糊の歴史は半世紀ほどで、それまでの掛け軸は小麦粉を原料とするしょうふ糊が使われていました。糊炊き3年などと言いまして、糊を自分で作るという修行があります。今では化学糊に限らず様々な表具用糊があります。糊は表具にとって命であります。この加減ひとつで掛かり具合や見た目の柔らかさに大きな差が出てきます。経験からすると化学糊の方がかかりがよく、作業もしやすくなります。しかし、まだ歴史が浅いため修理物などには疑問視されます。私はしょうふ糊を一般的に使用しますが、某書道展に出品した掛け軸で私のだけ掛かり具合が悪いと聞き、会場に行きましたら私の作品の前には大きな暖房機があり、その風が掛け軸にあたっていました。用途や場所に応じて糊も使い分けなければなりません。今後の作品は技術面や価格の違いで化学糊を使用した機械表装が主流になってきますが、昔ながらの伝統的な手法で作られた表具は味わい深いものとなります。 8.表装と裂地 掛け軸の形式から様々な裂地があります。基本はやはり金襴や緞子でしょう。元々は衣類やお坊さんの袈裟などから作られていました。色落ちがなく、裂にくせが無く、うすい裂(掛け軸は巻くため)であれば何でもいいでしょう。何か思い出のある衣類や着物などを使用したり、海外などで購入なさった裂地や紙を使用すると、おもしろい作品ができます。
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